民泊に泊まる際にゲストが支払わないといけない「清掃料金」とは?

ゲストとして民泊施設を予約する場合、宿泊費とは別に「清掃料金」を請求されることがあります。

なぜ宿泊費とは別に清掃料金が請求されるのか?

そちらの理由をわかりやすく説明いたします。

まず、ホテル・旅館の「清掃」と民泊施設の「清掃」の違いを理解しよう

大前提としてホテル・旅館や民泊施設は「人を泊める宿泊施設」として同じ性質ではありますが、タイプが少し異なるため、清掃に対してのアプローチが変わります。

ホテルや旅館は、1つの建物内に複数の客室がある構造です。清掃スタッフも常駐し、現地にはリネン庫もあるため、清掃作業を「しらみつぶし方式」で効率的に実施できます。

対して、民泊施設では戸建てやマンションの1室などを運用しているケースが多く、それぞれの施設のロケーションもバラバラで、現地には当然清掃スタッフは常駐しておらず、リネン庫も清掃会社の事務所にあるため、清掃するたびに事務所から現地へ赴かなければなりません。

このようにホテル・旅館と比較した場合、民泊施設の清掃業務は非効率合理性に欠ける部分が発生します。

民泊施設で清掃が行われるタイミング

ホテル・旅館で2泊以上の場合、概ね9時~14時の間で清掃スタッフが簡易清掃(ベッドメイキング)を実施します。

対して、民泊施設の場合ゲストの滞在中にお部屋を清掃することはありません。

清掃はゲストがチェックアウトした後のみ実施されます。

つまりゲストが支払う清掃料金とはチェックアウト後に実施される清掃(室内清掃、ベッドメイキング、消耗品補充など)に対して掛かる費用ということになります。

そのため、民泊施設を予約する際にゲストが支払う清掃料金は、宿泊日数に関わらず、「1回の予約に対して」支払う形になります。

仮に、OTA(宿泊予約サイト)に掃除料金を「5,000円」と設定した場合、ゲストは1泊しようが5泊しようが、1回の予約に対して宿泊費に加え「5,000円」を支払う形になります。

このような理由から民泊施設では1泊2日よりは、最低でも2泊以上された方が、ゲスト的には金額負担が軽減されるため恩恵を受けやすくなります。

現に、弊社で管理している施設におきましても圧倒的に2泊3日以上の予約が多くなっております。

清掃料金はお部屋の広さによって異なる

当然ではありますが、1Kサイズのお部屋よりも3LDKや2階建ての戸建ての方が清掃料金は高くなります。

清掃料金が高いとゲストに敬遠される?

正直、影響はそれほどないと考えています。

例を挙げてご説明します。

例えば、2階建ての戸建て住宅(延べ床80㎡)、収容人数が8名の施設があるとします。

1泊の宿泊基本料金を12,000円(3人までの基本料金)とし、4人目からは1名追加ごとに+3,000円の追加費用がかかる宿泊費の設定をするとします。

1回の予約に対しての清掃料金を仮に10,000円とします。

ゲストが6名1泊2日で宿泊する場合の費用は以下になります。
- 宿泊基本料金 12,000円×1日=12,000円
- 人数追加費用 3,000円×3名=9,000円
- 清掃料金 10,000円
合計で31,000円
ゲスト一人あたり1泊料金に換算すると約5,166円

ゲストが6名2泊3日で宿泊する場合の費用は以下になります。
- 宿泊基本料金 12,000円×2日=24,000円
- 人数追加費用 3,000円×3名×2日=18,000円
- 清掃料金 10,000円
合計で52,000円
ゲスト一人あたり1泊料金に換算すると約4,333円

清掃料金は1回の予約に対して掛かりますので当然、連泊期間が長ければ長いほど清掃料金は按分され、一人あたりの1泊利用料金は安くなります。

また、清掃料金が高い施設は上述のように比例して広い物件になるため、その分、収容できる定員も多くなるはずです。

6人で宿泊する場合だと、仮に清掃料金が10,000円で設定されていたところで、一人あたり1泊約1,666円の負担(10,000円÷6人÷1日)

2泊する場合だとさらに半額(10,000円÷6人÷2日)で一人あたり1泊約833円の按分額になりそれほど負担額は高くありません。

むしろ6人で利用できる宿泊施設の供給数自体多くないため、清掃料金が高く設定されていようが十分差別化は図れるというわけです。

逆に清掃料金を高く設定している方が、しっかりと掃除もしてくれて綺麗なお家を利用できるという安心感を提供できるという考え方も持つことができます。
募集サイトの説明文にも「掃除は外注の専門業者に頼んでいるので綺麗なお部屋をご利用できます」とアピールをしても良いかと思います。

OTAに清掃料金を設定してみよう

以上のことから、ホテル・旅館と民泊施設とでは、人を泊めるという宿泊施設としての性質は同じものの清掃に対しての捉え方が異なるということは理解いただけたかと思います。

ホストとしてOTA(宿泊予約サイト)にお部屋を登録する際、宿泊料金とは別に掃除料金も自由に設定することが可能です。