〈図解〉室内の汚れは科学の力で対応

予備知識

水溶液とは「水」に「物質」を溶かした液体のことです。

例えば、「水」に「塩」を溶かした「塩水」は「塩化ナトリウム水溶液」という名称の水溶液になります。

水のように物質を溶かす液体を溶媒(ようばい)
塩のように水に溶かす物質を溶質(ようしつ)
溶媒に溶質が合わさった液体を溶液(ようえき)

水溶液は溶媒が水の場合の溶液です。

水溶液は中に含まれる水素イオンの濃さで性質が分かれます。

水素イオンの濃度が高い水溶液は酸性に分類され、水素イオンの濃度が薄い水溶液はアルカリ性に分類されます。

水溶液に含まれる水素イオンの濃度はpHという尺度で表すことができます。

pHは0~14の数字で表すことができ、pHの数値が0に近いほど強い酸性、14に近いほど強いアルカリ性、ちょうど中心の7が中性です。

なぜ、水溶液やpHの説明をしたかというと、「汚れ」も「酸性」と「アルカリ性」に大きく分類できるためです。

「汚れを落とす」とは、酸性汚れアルカリ性漂白剤を掛け合わせ、アルカリ性の汚れ酸性系漂白剤を掛け合わせることでph値を中性に近づけることです(中和するといいます)。

酸性の汚れとは

・キッチン
換気扇の油汚れ
コンロの油汚れ
グリルの油汚れ
コンロやグリルのコゲ
シンクや排水のぬめり
キッチン内壁面などに飛び散った油汚れ
野菜くずの悪臭

・浴室
ぬめり
湯垢
皮脂汚れ
ピンク汚れ(浴室などのピンク色や赤色の汚れは汗や皮脂が流れたものです)
黒カビ

・洗濯機
洗濯槽のカビ

・その他
手垢
衣類に付着した血液などのタンパク汚れ
布製品に付着したワイン汚れ
タバコのヤニ
食用油
マヨネーズ
チョコ
油性ペン
化粧品

酸性の汚れにはアルカリ性の洗剤で中和することができます。

アルカリ性の洗剤例
・重曹
・洗濯用洗剤
・セスキ炭酸ソーダ
・過炭酸ナトリウム
・キッチンハイター

アルカリ性の汚れとは

・トイレ
尿石(便器に付いた黄色や茶色の汚れ)
尿はね
水垢

・浴室
洗面器や椅子の水垢
石鹸カス
鏡のウロコ汚れ
蛇口の水栓やシャワーヘッドなどの水垢

・洗面所
水垢
石鹸カス

・キッチン
シンク内の水垢
洗剤や石鹸カス
水栓の水垢
電気ケトル内側の底面についた水垢
IHコンロ天板に付着したこげ茶色の汚れ

・室内
喫煙によるタバコ臭

アルカリ性の汚れには酸性の洗剤で中和することができます。

酸性の洗剤例
・サンポール
・クエン酸