人数虚偽の予約を防ぐ方法

現地にスタッフがいない無人の宿泊施設の運営リスクとして、予約人数を超えゲストがお部屋に入室するということがあります。

「うっかり間違って・・・」ということもありますが、ほとんどが「どうせバレないだろう・・・」と故意に行われます。

ゲストが故意に人数を偽り予約する理由は至極シンプルで、少しでも安く利用したいというだけです。

人数虚偽で利用するゲストの手法としてはチェックイン手続きが終わった後に友人をお部屋に招き入れるというパターンです。中には大人数でホームパーティーをしてしまう方もおられます。

民泊施設にはキッチンがあるためホームパーティーをするにはもってこいの環境が整っています。

ホスト経験の長い方は一度や二度ならず「人数虚偽の予約」やそれに伴う「大人数でのパーティー利用により近隣からの騒音クレーム」というトラブルに遭遇した経験があるかと思います。

そこで今回は人数虚偽の予約を最大限減らす効果的な手法をお伝えさせていただきます。

まず前提として無人宿泊施設を運営している以上、人数を偽った予約を100%防げるというわけではありません。

あくまでも「人数虚偽の予約を減らす確率を高める」という方法ですのご了承ください。(帳場にフロントスタッフが常駐している通常のホテルや旅館でさえ起こりうることですので完全に防ぐのはほぼ無理です)

どのような施設が人数虚偽として利用されやすいか?

5名以上入室できる施設で、かつ、写真映えするような広々としたリビングのあるお部屋が多いです。

お洒落で綺麗なお部屋だと予約した代表者が招き入れた友人の方に自慢できるのか?もしくは普段利用できない豪華な空間に人数を偽って利用することによりお得感を感じられるのか?

ゲストひとりひとりになぜ人数虚偽で予約をしたのかとヒアリングしたわけではありませんが、人数虚偽をする立場で考えた際にそのような理由が考えられると思います。

どのようなゲストに注意すべき?

人数虚偽で予約し大人数でパーティーをするゲストのほとんどが「県内在中」もしくは「市内在中」です。

徴収した名簿データの住所を確認しましたが、約9割が施設の近くに住んでいる方でかつ若年層の友人グループです。

つまり観光目的で遠方から名古屋に来られるというわけではなく、近場で友人が集まりやすい名古屋で騒げる場所を探しているというイメージです。

収容人数が8名や10名の施設なのに不自然に1名や2名で予約されている方には注意を払う必要があります。

どのような対策を講じるべきか

部屋売り料金に切り替える

まずベタな手法になりますが、お部屋の料金設定を「人数売り」から「部屋売り」に切り替えるという方法です。

そもそも宿泊施設の料金設定において、人数によって料金が変わるか、人数にかかわらず定額で貸し出すかどちらかになります。

ただ、「部屋売り」の場合は基本料金の設定自体が高くなると思うので、ゲスト目線で考えた場合、3名や4名で予約したいが大勢で泊まらないと損した気分になりそうと思われ、予約の取りこぼしに繋がりやすくなります。

また、多人数収容できる宿泊施設での「部屋売り」の場合、入る予約のほとんどが大人数で利用されるため、騒音リスクが発生する可能性が高くなります。

おすすめな料金設定としては「人数売り」とするものの、基本料金を高めに設定し、人数追加料金を低く設定する方法です。

人数を偽る要因が追加人数の料金が高い(損したくない)という理由である場合、低額の追加料金であれば払ってもよいかという気持ちになり正しい人数で予約してくれる確率はあがります。

募集サイトに予約人数を超えての入室は禁止としっかり記載

airbnbは募集サイトに比較的自由に自身が発信したいテキストを記入できますが、その他ほとんどのOTAではairbnbのようなユーザーインターフェースではないため、自身が考案した注意喚起の文章を挿入できず発信できないようになっています。

その場合は予約サイトに掲載する写真で注意喚起のテキストが入った画像を作成しアップロードするという方法を取ることができます。

人数虚偽があった場合のペナルティや対応方法もしっかり記載

人数虚偽はいわばキセルのような無賃乗車と同じで犯罪です。発覚した場合は「警察に通報する」「ペナルティを請求する」「返金対応なしで即時退室いただく」など強気の姿勢で運営することも重要です。

予約確定後に予約人数が正しいかヒアリングをする

予約確定後、ゲストに対して「予約人数に誤りはないか?」または「予約人数を超えて入室する予定はないか?」という質問を投げYESかNOで回答してもらうことも抑止に繋がります。

防犯カメラの設置

入室した様子がわかるように玄関付近に防犯カメラを設置するだけでなく、募集サイトにも防犯カメラの写真を掲載したり、「防犯カメラがある」と明記することで抑止に繋がります。

防犯カメラの存在は、悪意を働こうとする人にとっては煙たがられますが、通常どおり利用するゲストにとっては安心感につながります。

玄関前に「予約人数を超えての入室禁止」と書かれた看板を設置

玄関付近に予約人数を超えてお部屋に入らないでと注意書きがあることで、万が一、人数虚偽での入室があったとしても、ゲスト心理としてお部屋で騒いでしまうとホストにバレるかもしれないので静かに利用しようと思ってくれる可能性が高くなります。

人数虚偽のうえ近隣から騒音クレームが発生するというダブルパンチが一番最悪です。最低でも騒音クレームは防ぐよう視認性の高い注意喚起の看板を玄関前に設置するという方法は得策です。